主催: 名倉 正剛, 関澤 俊弦
会議名: 第28回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2021)
開催地: 福島県郡山市
開催日: 2021/11/11 - 2021/11/13
p. 33-38
システムの仕様に抜けや矛盾点がないことを確認することは,システムを正しく開発するために不可欠である.環境とのインタラクショ ンを行うリアクティブシステムの開発においては,線形時相論理 (LTL) によって書かれた仕様が望ましい性質を持つかどうかを自動的に判定する手法が開発されてきた.LTL 仕様は等価な Büchi オートマトンに変換され,そのオートマトンを分析することで仕様の検証を行うが,LTL 式と等価な Büchi オートマトンのサイズは式の長さに対し指数サイズになることが知られており,規模の大きな仕様を検証する際の障壁となっている.そのため,より効率的な仕様検証を可能とするために LTL フラグメント flat LTL が提案されており,式の長さに対して線形サイズの Büchi オートマトンに変換できることが示されている.本研究では,通常の LTL で書かれた仕様を flat LTL の式に近似することで,検証の効率化を図る.