ソフトウェア工学の基礎ワークショップ論文集
Online ISSN : 2436-634X
第28回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2021)
会議情報

異粒度指向反例解析に向けて
小形 真平大池 勇太郎中川 博之青木 善貴小林 一樹岡野 浩三
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 45-50

詳細
抄録

モデル検査により正しい振舞いモデルを構築するには,通常,検査結果に基づくモデルの洗練が必要となる.モデルの洗練には,検査結果として得られる反例が有用である.反例とは,モデルが満たすべき性質を表した検査式に基づきモデルを検査した結果,検査式に違反する振舞いの一例を示すものである.ただし,この反例はあくまでも一例であるため,反例単体からモデルの誤りを正確に同定することは難しく,また,多数の反例を詳細に解析する開発者の作業負担が高いという問題がある.そこで本研究では,開発者が手動で与えるモデルと複雑な検査式により得られた全ての反例それぞれに対し,反例に応じた異粒度な部分式等を得て反例を検査する反例解析支援手法を提案する.提案手法は主に,異粒度な部分式等を得られるよう検査式を部分式や原子論理式などに自動分解する“検査式分解”と,分解で得られた部分式で反例を検査できるよう「テキストの反例」を自動で「モデル検査に適用可能なモデル」に変換する“反例モデル生成”を構成技術とする.そして,部分式による反例モデルのモデル検査,ならびに原子論理式などと反例との照合による変数変化の整理を行なう“反例検査”を実現する.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top