主催: 阿萬 裕久, 天㟢 聡介
会議名: 第32回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2025)
開催地: 愛媛県松山市
開催日: 2025/11/06 - 2025/11/08
p. 147-152
製品の開発において,安全規格に基づく安全認証は欠かせない要素である.本研究では,複雑な国際規格IEC 61508の要求事項間の参照関係を分析し,それをアシュアランスケースの表記法であるDependability Case (D-Case)を用いて体系的に構造化する手法を提案する.この提案手法により,規格のテキストに埋もれた依存関係を可視化し,規格適合性の確認をより網羅的かつ効率的に行うことを可能にする.機能安全に関する国際規格であるIEC 61508の第1部~第3部を対象に,要求事項の参照先の種類を7つに分類し,さらに「要求参照」と「資料参照」の2つのグループに大別した.また,D-Caseを用いて要求の関連を記述するための手法の提案を行なった.トップゴールを「対象節の要求事項を全て満たす」と定め,戦略ノードで要求ごとにサブゴールを分割し,要求参照は追加のサブゴール,資料参照はサブゴールにおける前提ノードとして,節ごとにIEC 61508の要求事項の関連性を体系的に記述した.今後の展望として,製品開発における実際問題に合わせた実用的な開発者支援ツールの作成が挙げられる.構造化した D-Case と製品の仕様書や認証ドキュメントとの紐付けを行い,製品開発の傾向を踏まえた構造の実現を目指す.