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日本薬理学雑誌
Vol. 122 (2003) No. 1 P 15-20

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http://doi.org/10.1254/fpj.122.15

ミニ総説号「プロテアーゼ疾患の分子病態と治療戦略」

カテプシンEは免疫細胞や皮膚などに限局的に存在する細胞内アスパラギン酸プロテアーゼである.我々はカテプシンEの機能を解析するために遺伝子欠損マウス(ノックアウトマウス)を作成した.カテプシンE欠損マウスは無菌(Specific pathogen-free, SPF)環境下で飼育しても,全く異常は認められなかったが,コンベンショナル(Conventional)環境下で飼育するとアトピー性皮膚炎様症状を示した.このマウスは病理組織学的にもアトピー性皮膚炎の特徴である表皮肥厚と皮下組織への好酸球,マクロファージ,リンパ球,肥満細胞などの細胞浸潤が認められた.また,血液学的解析でも,高好酸球血症と高IgE血症が見られ,脾臓細胞からのIL-4,IL-5などのTh2サイトカインの産生上昇が観察された.さらに,血清でのIL-1βおよびIL-18濃度の上昇とこれらのサイトカインの生物学的半減期の遅延が認められた.アトピー性皮膚炎患者においても,カテプシンE量が健常者とくらべて有意に減少していることから,ヒトおよびマウスともにカテプシンEの欠損あるいは低下によりアトピー性皮膚炎発症を惹起することが分った.

Copyright © 2003 公益社団法人 日本薬理学会

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