日本薬理学雑誌
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教育講演「薬理学教育とコアカリキュラム」
薬理学教育と医学教育モデル·コア·カリキュラム
吉岡 俊正
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2003 年 122 巻 5 号 p. 402-406

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抄録

医学教育モデル·コア·カリキュラムは,日本の医学生が習得すべき基本的診療能力として必須な知識·技能·態度の教育目標として作成された.本カリキュラムは各医科大学が独自に利用し,到達目標を達成するための教育方略も各医科大学で選択する.本カリキュラムの学習目標が学体系ではなく,患者中心の医療実践で活用する体系に統合されているため,学体系に分かれた教育組織の教育者には違和感もある.モデル·コア·カリキュラムが作られた背景と目的を理解し活用,実践することが望まれる.医学教育モデル·コア·カリキュラムのなかで,臨床実習開始前に修得すべき到達目標の達成度評価として,全国の医学校が共同で実施する共用試験が計画されている.共用試験では,教育側がそれぞれの分野で基本的臨床能力としてどこまでを要求するか(学習深度)と同時に,学習者がどこまで達成出来るかが問われる.医学教育モデル·コア·カリキュラムの導入により各医学校の教育内容が共通化する一方,ノン·コアの部分では各専門領域あるいは教育機関の特徴あるカリキュラム構築が教育の質の向上につながる.

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© 2003 公益社団法人 日本薬理学会
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