日本薬理学雑誌
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総説
アルツハイマー病診断用プローブ
工藤 幸司
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2005 年 126 巻 3 号 p. 199-206

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抄録

アルツハイマー病(AD)においては最初の臨床症状が顕性化するはるか以前からアミロイドβタンパク(Aβ)を主構成成分とする老人斑(senile plaque)の蓄積が始まっている.Aβのβシート構造を認識するプローブ(低分子有機化合物)を開発し,これをPETまたはSPECTで扱える核種で標識して生体に投与し,脳内Aβとプローブの結合量およびその空間的分布からADを診断しようとするのがアミロイドイメージングである.アミロイドイメージングはADの病理像を追跡することから発症前診断を可能にすると考えられている.すでにいくつかのプローブの探索的臨床研究が開始されており,従来の診断法に比し明らかに優れていることが確かめられている.本稿ではAD診断法としてのアミロイドイメージングの有用性,プローブの現状および薬理作用等について概説する

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© 2005 公益社団法人 日本薬理学会
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