日本薬理学雑誌
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特集:健康食品の薬理学―その基礎研究から起業独立まで
食品機能評価におけるバイオマーカーの重要性
大澤 俊彦
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2008 年 132 巻 3 号 p. 140-144

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抄録

機能性食品評価に,「バイオマーカー」を用いて簡便にかつ定量的に測定し,個人個人に適したオーダーメイド食品を開発することを目的に研究を進めた.その方法は,ヒトの一滴の血液や唾液,尿を対象に,疾患予防バイオマーカーや酸化ストレスバイオマーカーに特異的なモノクローナル抗体を,スライドガラス上にスピンコートされたアゾポリマーに光照射によりインプリンティングすることで「抗体チップ」を作製し,化学発光で未病診断と共に食品機能性の評価を測定した.特に,「メタボリックシンドローム」診断の重要なバイオマーカーとして注目されている肥満にかかわるサイトカインなどとともに,酸化ストレスの初期状態で発現するバイオマーカーに特異的な「モノクローナル抗体」を用いた.さらに,抗酸化評価法の公定法を設定する目的で,Antioxidant Unit研究会(http://www.antioxidant-unit.com/index.htm)を創設したので,併せて紹介する.

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© 2008 公益社団法人 日本薬理学会
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