抄録
マイクロアレイ技術の発達により,一度に全遺伝子の発現を定量するという,一時代前は夢のようなことが可能となった.医薬品開発における安全性研究は,何が起こるか分からないという状態で発生確率の低い有害作用の可能性を予測せよという,一見して不可能なことを強いられていたが,これを毒性学に応用したトキシコゲノミクスという領域が生まれ,安全性研究に革命をもたらした.我が国のトキシコゲノミクスプロジェクトは,世界最大規模のデータベースTG-GATEsを完成させたが,これを安全性試験に適用するには多くの課題が見いだされてきた.現在,後継プロジェクトにおいて,このシステムを活用し,安全性バイオマーカーの創出に力を注いでいる.