日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(6)臨床開発と育薬(24)
『日本経済に役立つ医薬品産業!』 医療経済学の立場から医薬品産業政策を考える
柿原 浩明井深 陽子馬 欣欣
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2013 年 141 巻 2 号 p. 95-99

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抄録

薬理学と関係の深い創薬は医薬品産業政策と密接なかかわりを持つ.本稿では,医薬品産業政策の課題を,経済の基盤である市場における主体の行動と経済の関わりをもとに整理する.医薬品産業政策を考える上での問題の1つは,医薬品産業政策において重視される複数の目的が必ずしも両立可能でないということである.たとえば,現在の政策の1つの流れである医療費の抑制は,その目的においてしばしば中・長期的な経済への正の影響とトレードオフの関係にある.中・長期的な経済への正の影響とは,消費者の将来の健康そのもの,または健康に起因する経済への効果のことであり,さらに生産者である医薬品業界における研究開発投資が経済成長を起こす潜在的な機動力となる,ということである.これらの医薬品の使用が健康に及ぼす影響や創薬の経済効果は,長期間にわたり発生するため定量的な評価が著しく困難であるが,医薬品産業政策を考えるうえで重要な要素である.

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© 2013 公益社団法人 日本薬理学会
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