日本薬理学雑誌
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新薬紹介総説
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤RPV(エジュラント®錠 25 mg)の薬理学的特徴および臨床試験成績
岩田 理子敷波 幸治梛野 健司原田 寧
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2013 年 141 巻 4 号 p. 205-211

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抄録
リルピビリン(RPV)は,ジアリルピリミジン(DAPY)を母核とする新規の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)で,野生型(WT)および既存のNNRTIに耐性のヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対して強力な抗ウイルス作用を持つ.RPVは標的となる逆転写酵素(RT)のNNRTI結合ポケットに深く結合するとともに,柔軟な立体構造特性で変異によるNNRTI結合ポケットの構造変化にも適応する.In vitroでの検討から,RPVは耐性を引き起こしにくく,NNRTI関連変異に対して既存のNNRTIと異なる感受性プロファイルを持つことが示された.治療経験のないHIV-1感染症におけるRPVの有効性および安全性を検討する臨床試験としては,前期第II相試験,後期第II相試験ならびに第III相試験としてECHO試験およびTHRIVE試験が実施された.エファビレンツ(EFV)を対照とした第III相試験では,主要評価項目であるウイルス学的効果消失までの期間の補完アルゴリズムに基づくWeek 48のウイルス学的効果(HIV RNA量が50 copies/mL未満の被験者%)はRPV群84%,EFV群82%であり,RPVのEFVに対する非劣性が検証された.RPVは,これらの臨床試験成績に基づき,販売名を「エジュラント錠」,適応症を「HIV-1感染症」として,2012年5月に本邦で承認された.エジュラント錠は,HIV-1感染症治療薬の新たな治療選択肢として期待される.
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© 2013 公益社団法人 日本薬理学会
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