2013 年 141 巻 4 号 p. 199-204
近年の製薬業界には二つのキーワードがある.まず第一は「グローバル化」,第二は「オープンイノベーション」である.医薬品の上市までには15年から20年の長い期間を要し,しかも成功確率は20,000分の1と言われている.これに要する投下資金は500億円とも1,000億円ともされている.オープンイノベーションの概念のもと,アカデミアやバイオベンチャーの初期シーズを育てるには製薬企業のサポートへの期待が大きい.オープンイノベーションをうまく機能させるためにはグローバルな視点を持ったコーディネーター人材を育てる必要がある.塩野義製薬(株)では,オープンイノベーションを機能させるために2007年よりシオノギ創薬イノベーションコンペ(PHarma-INnovation Discovery competition Shionogi;愛称FINDS),2011年よりShionogi Science Programを開始した.本稿ではこれらを概説する.