2015 年 146 巻 1 号 p. 47-53
東北大学は,約100年に渡る歴史の中で医療機器開発における大きな足跡を残してきた.それは,医学と工学という領域を超えた連携が実を結んだ数々の実績に現れている.東北大学病院臨床研究推進センターは,この東北大学の伝統を受け継ぎ,医療機器・医薬品開発の拠点として活発な活動を進め,現在150を超える研究シーズの実用化支援を実施している.さらに,文部科学省による「橋渡し研究支援拠点ネットワーク事業」の実施や「知と医療機器創生宮城県エリア」との連携,東北6大学を中心とした「東北トランスレーショナルリサーチ拠点形成ネットワーク(TTN)」の設立,全学16部局横断的にメディカルサイエンス系の研究開発を支援する「東北大学メディカルサイエンス実用化推進委員会」の発足も追い風となり,臨床研究を推進していく環境はますます充実してきている.全学的にも先進医療イノベーションに対する気運が高まるなかで,臨床研究の中心的役割を担うCRIETOの取り組みを紹介する.