日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
特集 RNAとエピジェネティクス研究の最前線と疾患治療・創薬の可能性
Regnase-1とRoquinによる炎症性mRNAの制御
三野 享史竹内 理
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 147 巻 6 号 p. 351-356

詳細
抄録

自然免疫細胞は病原体の侵入をToll様受容体(TLR)などのパターン認識受容体により検出し,シグナルカスケードの活性化を経て転写因子であるNF-κBやAP1が活性化し,炎症性サイトカイン遺伝子などの転写を誘導する.これまで,サイトカイン産生(サイトカインタンパク質の翻訳)はそのmRNAの転写により調節されると考えられてきた.しかし,転写されたmRNAの安定性やタンパク質への翻訳は転写後調節と呼ばれる制御機構により細胞内で厳密に制御されており,転写後調節は自然免疫応答である炎症の開始と収束にも重要な役割を担っていることが明らかになってきた.近年,TTP,AUF1,RoquinおよびRegnase-1などのRNA結合タンパク質が,免疫応答における転写後調節に重要な役割を果たしていることが報告されている.本稿では,自然免疫における転写後調節について概説し,特に我々の研究室において最近報告したRegnase-1とRoquinによる炎症性サイトカイン制御の例を示し,そのメカニズムに関し議論したい.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top