2017 年 149 巻 1 号 p. 4-8
平成27年4月現在,文部科学省所管の看護系大学は241校248課程である.看護系大学が増加の一途を辿る趨勢の中で,学士課程における教育の質保証は課題である.看護実践能力の育成は学士課程における人材養成の特徴の一つであり,平成23年には学士課程においてコアとなる看護実践能力と卒業時到達目標が策定されている.その中の一つである『健康レベルを査定する能力』など根拠に基づいた看護を提供する能力を修得するために,薬理学の知識を修得し,知識を活用して体内の内部環境の状態を見極めるという判断過程を辿る学習がどの程度,どのように教授学習されているかは,各大学の教育課程,教員体制に委ねられている.看護学の質保証という観点から,薬理学や解剖生理学,病態学といった専門基礎科目の教育については,今後検討すべき課題は多い.