日本薬理学雑誌
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総説
細胞外小胞・エクソソーム研究の最前線:臨床応用を目指して
門田 宰吉岡 祐亮藤田 雄落谷 孝広
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2017 年 149 巻 3 号 p. 119-122

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抄録

エクソソームは,ほぼ全ての細胞から分泌される脂質二重膜で囲まれた100 nm前後の小胞であり,タンパク質,核酸,脂質,代謝産物などにより構成される.エクソソームの産生機構については,エンドサイトーシス経路を介して形成され,多胞体が原形質膜と融合して細胞外に放出されると考えられている.近年,エクソソームは細胞間で移送され機能することから,細胞間情報伝達に関与することが判明した.現在,様々な疾患の病態形成へのエクソソームの関与が解明され始めており,エクソソームの各種特徴に着目した診断や治療,そして核酸医薬の新規ドラッグデリバリーシステムとしても研究されている.まだ未解明の点が多くさらなる研究の発展が必要であるものの,今後の臨床応用が期待される.

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© 2017 公益社団法人 日本薬理学会
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