日本薬理学雑誌
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特集:医薬品開発における薬理試験のこれからの統計解析
創薬研究者に対する社内統計教育の事例
本田 主税溝手 紳太郎
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2017 年 150 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

薬学・生命科学の進歩に伴い,創薬研究者に求められる統計学の素養も日増しに高まっている.創薬に関わる,あるいはこれから関わろうとしている研究者に対して,創薬研究を円滑に進めるための統計教育が必要である.筆者は,創薬研究者の統計的思考力を高めることにより,研究目的に沿った合理的な実験計画の立案力がつくだけでなく,創薬イノベーションや研究競争力強化の一助になると考えている.本稿では,筆者の所属する企業における非臨床分野の統計教育事例を紹介する.そのなかで,創薬ターゲット選定,リード物質探索などの創薬の初発研究から非臨床試験,品質試験など,いわゆる非臨床分野に携わる統計家と創薬研究者のかかわりや,創薬研究者が抱えている統計学での悩み,統計的思考力を高める人財育成の展望についても論じる.

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© 2017 公益社団法人 日本薬理学会
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