看護教育において,薬理学や解剖生理学といった基礎医学系の科目は専門基礎科目と位置づけられている.筆者は看護系大学において長年,解剖生理学を担当し,現在では薬理学の一部をも担当している.同じ専門基礎科目として,看護学生に教育する上で,課題となる点はほぼ共通であると考えられる.これまで解剖生理学を教育してきた中で,問題と思われるのは,学生の基礎学力の低下,正確に覚えない,思考が固定化している,の3点である.指示された注射液を何mL注射器に吸えばいいのか,酸素ボンベにどのくらいのO2が残っているのかといった,簡単な計算問題を苦手とする学生が増えている.また,器官や組織がそれぞれ何処に存在して,どのような働きをしているのか正確に覚えない.つまり,「何となく」あるいは「このくらい」という程度に覚えているのである.また,1つのこと(あるいは事象)を1つの側面からしか覚えない.したがって,他の側面から質問をすると答えられなかったり,せっかく学んだ知識を他の知識とつなげたり,関連させて考えることができない.このような問題は,同じ基礎医学の科目である薬理学を教える教員も感じているのではないだろうか.ヒトの体は1つである.whole bodyとして常に考えること,そして解剖生理学や薬理学の知識を看護実践でどのように活用するのか,早いうちに理解させることが重要なのではないかと考える.