日本薬理学雑誌
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特集 製薬企業各社の戦略的モダリティを用いた研究開発の現状
革新的医薬品創出のためのマルチモダリティ戦略
戸田 成洋
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2026 年 161 巻 3 号 p. 140-144

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抄録

モダリティの多様化により,低分子,抗体医薬,核酸医薬,遺伝子治療など様々な治療手段が進化を遂げ,新たな創薬機会が生まれている.第一三共では,この流れを受けて「マルチモダリティ戦略」を掲げ,各モダリティにおいて競争力のある技術を構築し,革新的医薬品の創出に挑戦している.中でも,抗体薬物複合体(ADC)は,低分子と抗体の利点を組み合わせた次世代医薬品であり,弊社研究部門の強みを活かせるモダリティとして重点的に取り組んでいる.我々が開発したDNAトポイソメラーゼⅠ阻害薬をペイロードとするDXd ADC技術プラットフォームは高い薬物抗体比などを特徴とする革新的技術である.より有効性・安全性に優れたADCを目指した次世代ADC研究も盛んに行われており,弊社でもペイロード,リンカー,薬物抗体比,抗体エンジニアリング等のさらなる検討による次世代ADC技術開発を積極的に進めていく方針である.また,マルチモダリティの一つとして,脂質ナノ粒子(LNP)の研究も進めており,国内初のmRNAコロナワクチンの開発にも成功している.加えて,これらの研究を支えるデジタル技術やデータ駆動型の創薬プロセス改革にも積極的に取り組んでいる.

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