日本薬理学雑誌
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テオフィリン慢性投与によるラットの昼間摂食性への移行
児玉 純一福嶋 正孝坂田 利家
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1976 年 72 巻 6 号 p. 739-744

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抄録
Theophylline(以下Thと略)慢性投与によるラットの摂食行動の変化について検討を行い,次の結果が得られた.1)Th慢性投与で24時間摂食量は変化しなかった.2)しかし,light time(0900-2100)とdark time(2100-0900)別セこ測定すると,Th群ではlight timeに摂食量が増え,dark timeの摂食量は減少した.3)対照群では1日総摂食量のうち約80%がdark timeに摂取されたが,Th群ではこの割合が60%以下に減少した.4)全実験期間中のTh群と対照群の体重の変動には差を認めなかった.以上のごとく,正常ラットの摂食行動は照光に強く影響を受けるが,Th慢性投与をすることによりこのlight-dark cycleとの関連性が消失し,nocturnal feederとしての特徴がなくなる.この変化の発現機序を,Th投与による摂食行動のlight timeへのtime shiftとしてとらえ検討を加えた.
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