日本薬理学雑誌
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心臓組織の活動電位の簡単な on-line デジタル測定法とその応用
乾 淳, 三浦 洋治, 今村 博
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1977 年 73 巻 2 号 p. 143-150

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抄録
心臓の活動電位に対する薬物の作用を解析するため,活動電位の迅速かつ正確なデジタル測定装置を設計製作し,本装置を用いて,アドレナリンβ-受容体遮断薬であるbufetololの犬Purkinje fibresの活動電位におよぼす影響を観察した.本装置は,垂直軸が二現象以上の陰極線オシロスコープ,デジタルボルトメーター,デジタルインターバルメーターおよび演算増幅器を用いて構成した簡単な回路から成っている.一方の輝線で描記されたブラウン管上の活動電位の静止電位または最大拡張期電位および頂点を他方の輝線で追従し,その追従に要する電位をデジタルボルトメーターで読みとることによって静止電位または最大拡張期電位,overshoot Potentialおよび活動電位の大きさを測定した.また活動電位の50%または90%再分極点の電位と,活動電位とを比較器に導ぴき,その出力電圧として得られる矩形波の持続時間をデジタルィンターバルメーターで計測することによって,50%または90%再分極時間を測定した.本装置による上記測定項目の計測時間は10~15秒で,従来の写真撮影からの測定に比し計測時間が著しく短縮された.また本装置自体の計測誤差は無視し得る程度であった.本装置を用いて,bufetolol (10-6 ?? 10-4M)のPurkinje fibresの活動電位への影響を観察すると,10-5Mで最大拡張期電位の脱分極,overshoot potentialの減少,活動電位の大きさの減少,50%再分極時間の短縮および最大立ち上り速度の減少が認められた.10-4Mではこれらの作用はさらに増強され,90%再分極時間も延長した.本測定装置は製作が容易で,活動電位を迅速かつ正確に計測することが可能であり,薬物の活動電位におよぼす作用の観察を容易にするものと考えられる.
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