日本薬理学雑誌
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マウス顎下腺におよぼすtestosterone propionateおよび2,3関連物質の影響 ―特に分泌細管の計量組織学的・組織化学的研究―
佐藤 精一丸山 七朗陳 健男海老名 広一辻 浩洋
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1977 年 73 巻 2 号 p. 215-228

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抄録
睾丸除去および睾丸・副腎両除去を行なったマウスにtestostcrone propionate(TP), 19-nortestosterone(NT)および4-androstene-3, 17-dione(AD)を投与し,顎下腺分泌細管の計量組織学的および組織化学的検討を行ない,また顎下腺重量の変化と他の男性ホルモン感受性臓器重量との関係を調べた.睾丸除去により,顎下腺重量は著しく減少し,これにTPまたはNTを投与すると著明な増加をきたしたが,ADでは弱かった.分泌細管のサイズ,分泌細管細胞内RNA,tryptophanおよびPAS陽性反応は睾丸除去により減少し,TPおよびNTの投与により著明に増加したが,AD投与では弱かった.睾丸・副腎両除去マウスにおける顎下腺重量,分泌細管サイズおよび細管細胞内RNAの変動は睾丸除去の場合とほぼ同様であった.睾丸・副腎両除去マウスにおける肛門挙筋重量の変動は顎下腺と類似していたが,前立腺重量ではTPのみが重量増加作用が強く,NTはAD同様有意の重量増加作用は認められなかった.以上の結果からマウス顎下腺はこれらステロイドによって,分泌細管細胞のRNAの合成を促してtryptophan含有のタンパク質を合成し,さらにPAS陽性のmucinを増加させて,顎下腺の肥大をきたすと考えられるが,これらのステロイドに対する感受性は前立腺とは相当異なることが示された.
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