日本薬理学雑誌
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Oxatomide(KW-4354)の薬理作用 第1報 受身皮膚アナフィラキシー(PCA)におよぼす影響
大森 健守石井 秀衛平山 滝幸周藤 勝一中溝 喜博
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1982 年 80 巻 3 号 p. 251-260

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抄録

諸種の条件下での受身皮膚アナフィラキシー(PCA)におよぼすoxatomideの作用を検討し,以下の成績を得た.1) 抗egg albumin(EWA)あるいは抗dinitrophenylated-ascaris extract(DNP-As)血清を用いたラット48時間homologous PCAに対し,oxatomideは経口投与では3mg/kg以上,静脈内投与では0.3mg/kg以上で投与量に依存した抑制作用を示した.2) disodium cromoglycate(DSCG)は静脈内投与ではoxatomideと同程度の活性を示したが,経口投与では無効であった.3) 副腎摘出ラットおよび幼若ラットにおいてもoxatomideはPCAを抑制した.4) oxatomideを4週間にわたり連続投与してもPCA抑制作用の減弱や増強は認められなかった.5) 抗EWA血清と抗DNP-As血清で二重感作したラットに,初回抗原投与の前にPCA完全抑制用量のoxatomide(1mg/kg,i.v.)を投与しておくと,このoxatomideの作用が消失する4時間後に同一抗原を投与した時,PCAは発現しなかった.しかし,異なる抗原を投与するとPCAが発現した.DSCG(1mg/kg,i.v.)投与群においても同様の現象が認められた.抗histamine薬promethazine(5mg/kg,i.v.)投与群では,同一抗原投与時のみならず,異なる抗原を投与した時にもPCAは発現しなかった.6) モルモット4時間heterologous PCAもoxatomideは抑制したが,DSCGは静脈内投与でも無効であった.以上の成績から,oxatomideはIgE関与のPCAをDSCGと同様に化学伝達物質の遊離を阻害することにより抑制すること,DSCGと異なり,経口投与でも有効であり,IgG関与の反応も抑制する薬物であることがわかった.

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