日本薬理学雑誌
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80 巻 , 3 号
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  • 篠崎 温彦
    1982 年 80 巻 3 号 p. 203-207
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    When agonists are ionophoretically applied to the neuromuscular junction using a short current pulse, the effect of stray capacity and the change of resistance of the ejecting micropipette on the output current has to be considered. The present paper describes an apparatus that was devised using OP-amplifiers so that the apparent stray capacity was remarkably reduced, and the amount of the output currents was in proportion to the input voltage of the short pulse even if the resistance of the micropipette changed markedly during the experiments.
  • 篠田 寿, 小椋 秀亮
    1982 年 80 巻 3 号 p. 209-220
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    本研究は,低温プラズマ灰化装置を用いた顕微灰化法を走査型電子顕微鏡的検索と組み合せ,フッ化物が歯のエナメル質形成にいかなる作用をおよぼすかについて観察し,これをエナメル質の化学定量分析の結果と比較検討したものである.実験には雄性Wistar系ラット16匹(平均体重179g)を用い,これらを2群に分けて0および100ppmのフッ素含有飲料水を70日間自由に摂取させた.飼育終了後,成熟エナメル質を含む上顎切歯矢状軸縦断研磨標本を作製し,0.05N HCIで30秒間etchingした後,走査型電子顕微鏡を用いて観察した.またこれらの切片のいくつかは有機質成分を分解除去する目的でさらに低温灰化処理を加え同様に観察を行なった.一方,フッ化物投与によるエナメル質の化学組成の変動を知る目的で,別に24匹の雄性Wistar系ラット(平均体重115g)を用い,これらのラットには0,45および113ppmのフッ素飲料水を同様に70日間摂取させた.飼育終了後,上下顎切歯より各個体別に成熟エナメル質粉末を採取し,Ca,P,FおよびC,H,Nの化学定量分析を行なった.走査型電子顕微鏡による観察の結果,フッ素投与群ではエナメル質の外側部に強い石灰化不全が認められた.特にエナメル小柱中心部へのミネラルの沈着が強く阻害されており,この部位における有機質量が相対的に増加している可能性が示唆された.また同様な所見は小柱間質にも認められた.一方,エナメル質粉末の化学定量分析の結果によると,エナメル質単位重量当りのCa,P量は実験群において有意の減少を示し,逆に,有機質に由来する炭素量はフッ素用量に依存して増加していることが定量的に確認きれた.エナメル質中へのミネラルの沈着が抑制され,最終的に形成されたエナメル質中に比較的多量の有機質が残存していることを示す以上の所見は,急激なミネラルの沈着と有機基質の脱却として特徴づけられるエナメル質の成熟過程がフッ化物によって強く阻害された結果であると解釈された.
  • 柴生田 正樹, 垣花 満, 永岡 明伸
    1982 年 80 巻 3 号 p. 221-224
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    脳内へのグルコース取り込みに対するvinpocetineおよびifenprodilの影響をマウスを用いて調べた.脳内へのグルコースの移行量は2-deoxyglucose-[1-14C]の静脈内注射10分後の脳内14C量,血漿14C濃度およびグルコース濃度から求めた.絶食マウスでの薬物経口投与30分後における脳内グルコース移行量は,対照群(2%アスコルビン酸5ml/kg投与)では1.42±0.06mg/g/10分 (n=8,平均値±標準誤差)であり,vinpocetine 20mg/kgの経口投与は対照の115±5%(n=9,P<0.05)に増加させた.しかしvinpocetine 5mg/kgの経口投与は有意な作用を示さなかった.一方,ifenprodil 5あるいは20mg/kgの経口投与は,脳内へのグルコース移行量に影響を与えなかった.非絶食マウスでの薬物腹腔内投与10分後におけるグルコース移行量は対照群では2.59±0.08mg/g/10分 (n=10)であり,vinpocetine 5mg/kgは,対照の112±4% (n=10,P<0.05)に増加させた.vinpocetine 1mg/kgは有意な作用を示さなかった.これらの成績から,vinpocetineは脳内グルコース代謝促進作用を有することが示唆された.
  • 垣花 満, 寿野 正広, 柴生田 正樹, 浜條 和弘, 永岡 明伸
    1982 年 80 巻 3 号 p. 225-229
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    二種の実験的脳虚血モデルを用いvinpocetineの脳虚血保護作用を調べた.脳卒中易発症系高血圧自然発症ラットの両側総頸動脈結紮時にみられる虚血性痙攣発作の発現時間は対照群65±13分,vinpocetine 1mg/kg腹腔内前処置群117±19分であり,vinpocetineは痙攣発現時間を有意に延長した.しかし,vinpocetineの低用量(0.2mg/kg)は有意な作用を示さなかった.一方,正常ラットを用い,両側総頸動脈結紮と体重1%相当量の脱血により作成した脳虚血モデルでは,vinpocetine(5mg/kg,i.p.)は大脳皮質におけるlactate量の増加を有意に抑制し,adenosine triphosphate濃度を有意に増加した.これらの成績から,vinpocetineの脳虚血に対する保護作用が示唆された.
  • 鹿児島 正豊, 勝呂 信雄
    1982 年 80 巻 3 号 p. 231-238
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    reserpine潰瘍の成因について,ラット腺胃の大弯側胃底腺領域(A域),小弯側胃底腺幽門腺境界域(B域),幽門近接部(C域)の3ケ所に電極を装着し,筋電図学的にその要因の検討を行なった.無処置ラットにおいてはB域で高電位のspikeが多発し,胃運動が活発であることが推察され,次いでA域であり,そしてC域においては高電位のspikeはほとんど認められず,またその数も少なかった.次にreserpine投与群では,投与後約30分間はA,B,C全域でspikeの抑制が見られるが,その後B域を中心に興奮が見られ長時間持続した.そこでreserpineによる興奮波が安定して認められる投与1時間後に各種薬物の投与およびvagotomyを行ない,それらの影響を検討した結果,spikeを持続的に著明に抑制したものはatropineとvagotomyであり,比較的長時間spike抑制が見られたものは,hexamethoniumとdiphenhydramineであった.phenylephrine,isoproterenol,phentolamine,propranolol,metiamide,methysergideでは弱い抑制か,または一過性の抑制が認められた.reserpine潰瘍の病変は,投与初期のA域を中心として起こる胃粘膜層のischemiaと後期のB域に初発し,A域に拡大するerosionに大別されることは既に報告した1)が,ischemiaの発生は胃運動が亢進するのと同時期から認められることから,catecholamineや生体内の他のアミン類の関与と共に,運動亢進により血管運動のバランスがくずれ,比較的太い血管の走行が少ないA域に強く現われてくるものと考えられる.またerosionの発生においても,その初発部位が胃運動が最も強盛であるB域であるところから,内因性catecholamine枯渇後の副交感神経優位状態による運動の亢進が強く関与しているものと考えられる.したがってreserpine潰瘍の成因には,末梢血行障害により粘膜抵抗性の減弱した部位が胃液の侵襲を受け易くなるばかりではなく,持続的な胃運動亢進の関与するところが大きいものである.
  • 米沢 章彦, 只野 武, 浦野 慎一, 木皿 憲佐, 木村 行雄
    1982 年 80 巻 3 号 p. 239-249
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    副作用の少ない高血圧治療薬を目的に開発された新しいrauwolfia alkaloids誘導体 Methyl o-(4-hydroxy-3-methoxycinnamoyl) reserpate (CD-3400)の勃起,射精および脳内モノアミンに及ぼす影響を,雄性雑種成犬を使用し,reserpine(RES)およびrescinnamine(RCN)と比較検討した.1) 各薬物を1回経口投与(0.032mg/kg~0.5mg/kg)すると,勃起はほぼ完全勃起に近い状態を維持していたが,射精は用量依存的に抑制され,CD-3400(0.5mg/kg)では投与24時間後に,RES,RCN(0.125mg/kg)では投与24時間および48時間後に全例に消失が認められた.その障害程度を射精障害が著明に認められた投与12時間後から72時間後までの平均スコアーで比較すると,RESによる障害が最も強く,次いでRCNであり,CD-3400による障害は非常に弱かった.また,CD-3400の50%射精障害用量は0.3mg/kgであり,RES(0.052mg/kg)の約6倍,RCN(0.063mg/kg)の約5倍用量を有した.さらに,障害からの回復もCD-3400は,RES,RCNに比べ早く,投与96時間後にはほぼ正常な射精状態にまで回復した.2) CD-3400(0.06mg/kg/day)およびRES(0.01mg/kg/day)の20日間連続経口投与により,勃起は投与期間中ほぼ完全勃起を維持していたが,射精は,RESで著明な障害が観察され,投与15日目には全例で消失したのに対し,CD-3400の障害は軽度であり投与20日目においても消失は認められなかった.3) 各薬物投与(CD-3400 0.5mg/kg,RESおよびRCN O.125mg/kg)後,脳6部位のモノアミン含量を検討した結果,全例に射精が消失した投与24時間後,脳内では特に,射精発現の場として重要な視床下部前部ならびに海馬で,dopamine(DA)が著明に減少し,各薬物共にこれら部位でのDA:serotonin(5-HT)比は対照群と比較し著しく減少した.以上の結果より,イヌにおいてCD-3400は,RES,RCNと同様に射精障害を惹起するものの,その障害程度は後二者薬物に比べ非常に弱いことが判明した.
  • 大森 健守, 石井 秀衛, 平山 滝幸, 周藤 勝一, 中溝 喜博
    1982 年 80 巻 3 号 p. 251-260
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    諸種の条件下での受身皮膚アナフィラキシー(PCA)におよぼすoxatomideの作用を検討し,以下の成績を得た.1) 抗egg albumin(EWA)あるいは抗dinitrophenylated-ascaris extract(DNP-As)血清を用いたラット48時間homologous PCAに対し,oxatomideは経口投与では3mg/kg以上,静脈内投与では0.3mg/kg以上で投与量に依存した抑制作用を示した.2) disodium cromoglycate(DSCG)は静脈内投与ではoxatomideと同程度の活性を示したが,経口投与では無効であった.3) 副腎摘出ラットおよび幼若ラットにおいてもoxatomideはPCAを抑制した.4) oxatomideを4週間にわたり連続投与してもPCA抑制作用の減弱や増強は認められなかった.5) 抗EWA血清と抗DNP-As血清で二重感作したラットに,初回抗原投与の前にPCA完全抑制用量のoxatomide(1mg/kg,i.v.)を投与しておくと,このoxatomideの作用が消失する4時間後に同一抗原を投与した時,PCAは発現しなかった.しかし,異なる抗原を投与するとPCAが発現した.DSCG(1mg/kg,i.v.)投与群においても同様の現象が認められた.抗histamine薬promethazine(5mg/kg,i.v.)投与群では,同一抗原投与時のみならず,異なる抗原を投与した時にもPCAは発現しなかった.6) モルモット4時間heterologous PCAもoxatomideは抑制したが,DSCGは静脈内投与でも無効であった.以上の成績から,oxatomideはIgE関与のPCAをDSCGと同様に化学伝達物質の遊離を阻害することにより抑制すること,DSCGと異なり,経口投与でも有効であり,IgG関与の反応も抑制する薬物であることがわかった.
  • 大森 健守, 石井 秀衛, 平山 滝幸, 周藤 勝一, 中溝 喜博
    1982 年 80 巻 3 号 p. 261-270
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
    Coombs and Gellのアレルギー反応の分類に従い,種々の動物実験モデルを組み,これらにおよぼすoxatomideの影響を検討し,以下の成績を得た.1) oxatomideはtype 1のラット48時間homologous PCAおよび受動感作モルモット気道収縮反応を用量依存的に抑制した.2) oxatomideはtype 2の免疫溶血反応,Forssman全身反応,抗ラット血清家兎血清によるラット皮膚浮腫および足蹠浮腫反応に対しては影響をおよぼさなかった.3) oxatomideはtype 3のモルモット能動的アルツス反応に対して,抗原投与初期の炎症を用量依存的に抑制したが,抗原投与3~4時間以後の反応には影響をおよぼさなかった.4) oxatomideはtype 4のマウス遅延型アレルギー性皮膚炎症反応および足浮腫反応には影響をおよぼさなかった.
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