日本薬理学雑誌
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Mevalonic-GABAの行動薬理作用
亀山 勉鍋島 俊隆野田 幸裕
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1987 年 89 巻 3 号 p. 103-110

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抄録

calcium-4-(3,5-dihydroxy-3-methylpenthylamido)butyrate(mevalonic-GABA,MV-GABA)の行動薬理作用を中心に,Ca-hopantenate(HOPA)と比較検討した.MV-GABAはマウスの一般行動状態および攻撃行動に対して顕著な影響を与えなかったが,MV-GABA(1000mg/kg,i.p.)は,マウスの自発運動量を著明に減少させ,運動協調性を抑制した.また,MV-GABA(500mg/kg,i.p.)は抗acetylcholine(ACh)薬(scopolamineおよびatropine)やdopamine(DA)agonist(methamphetamine)による運動促進作用に対して拮抗作用を示した.さらに,MV-GABA(1000mg/kg,i.p.)はpentobarbital-Naによる睡眠時間を延長し,strychnineによる痙攣に拮抗した.以上の結果より,MV-GABAは中枢AChおよびDA神経系へ作用することが示唆され,DA神経系への作用を除いてHOPAと同様な薬理作用を示した.

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