pranoprofenの尿酸塩誘発炎症に対する抑制作用機序を明らかにする目的で,白血球を用い尿酸塩結晶で惹起した種々の炎症パラメーターに対する本剤の作用をin vitroで検討した.pranoprofenは尿酸塩によるモルモット好中球からの白血球遊走因子の産生を10
-5Mで抑制傾向を示し,10
-4Mでは有意に抑制した.モルモット好中球の遊走に対しては,10
-4および10
-3Mで増強作用を示した,一方,本剤はモルモット好中球からのO
2-の産生を10
-4M以上で抑制し,そのIC50値は5.0×10
-4Mで,indomethacinと同程度であった.また,10
-3Mでβ-glucuronidaseの遊離を抑制した.さらに,ラット腹腔内白血球を用い,尿酸塩によるPGE
2様物質産生に対する作用を検討したところ,pranoprofenは10
-6M以上で用量に依存した抑制を示し,そのIC50値は7.5×10
-6Mとその効力はindomethacinの約1/3であった.以上の成績から,pranoprofenの臨床投与量(75mg)での未変化体の最高血中濃度(1.4×10
-5M)を考慮すると,主に尿酸塩によるPGE
2の生合成を阻害することにより,尿酸塩誘発炎症に対する抑制作用を示すものと推定される.
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