日本薬理学雑誌
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新規抗喘息薬Flutropium bromideのMediator遊離抑制作用及びMediator拮抗作用
三澤 美和柳浦 才三細川 友和水野 博之入野田 一彦高橋 美紀吉村 敬治丸山 洋子杉本 清美大野 洋光桑村 司
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1988 年 91 巻 2 号 p. 97-103

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抄録
抗喘息効果の知られている四級アンモニウム塩構造を有するatropine誘導体flutropium bromideのケミカル・メディエーターの遊離及び拮抗に対する効果を検討した.モルモット48時間PCAならびにラット腹腔肥満細胞からのhistamine遊離に対する作用,さらに1eukotriene D4(LTD4)によるモルモット摘出気管平滑筋収縮及びイヌにおけるserotonin誘発気道収縮に及ぼす影響を調べた.モルモット48時間PCAに対して,flutropium bromideは3および10mg/kgの静脈内投与で有意な抑制作用を示した.一方,atropineには抑制作用は認められなかった.ラット単離腹腔肥満細胞からのhistamine遊離に対して,flutropium bromideは1~100μg/mlで抑制作用を示したが,その作用はdisodium cromoglycateに比しいく分弱かった.一方,atropineにはこの場合にも抑制作用は認められなかった.LTD4によるモルモット摘出気管平滑筋収縮に対して,flutropium bromideおよびatropineは10-3Mの高濃度においても拮抗作用を示さなかった.またイヌにおけるserotonin誘発気道収縮に対して,flutropium bromideの0.3%溶液の吸入適用は,拮抗作用を示さなかった.以上から,flutropium bromideの抗喘息効果の一部には,肥満細胞からのケミカル・メディエーターの遊離阻害作用が関与していることが示唆された.
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