近年、装置の目となる画像センサの高画素化、脳となるコンピューターパワーの飛躍的増大、低価格化により、旧来速度とコストの面から利用できなかった画像処理アルゴリズムや理論が利用可能となり、様々な装置に搭載され実用化されている。しかしながら、実用化されている技術は、基本理論は同じでもその目的により手段は様々で泥臭いものとなる。さらにこれら装置は、単に演算結果を出力するだけでなく、近年ではその結果を出力するまでに認識、判断を含めた知的画像処理が必要になってきている。そして画像処理の次元は2次元から3次元空間へと広がってきている。本講演では、産業界における医用画像処理、半導体検査、人工・自然対象物を扱う画像処理等の実際例について、そしてそれらのどのようなところに知的画像処理が埋め込まれていくかについて概観したい。