主催: 日本知能情報ファジィ学会
共催: 国際ファジィシステム学会
近年,人間の主観性に着目した研究が数多く報告されている.これらの研究においては,SD(Semantic Differential)法などにより,人間の主観性を数値化することが多い.これまでの研究で,SD評点行列を用いて個々人の印象の比較を行う手法は提案されている.しかし,実問題への適用を考慮すると,個人性を考慮し,かつ複数の被験者間の印象を解析することが求められる.本稿では,プロクラステス分析を基準とするクラスタリング手法を提案する.提案手法は,データ点の集合が成す形状(構造)に注目した手法である.そのため,SD評点の分布構造が類似した被験者を抽出ことができる.これにより,個々人の印象の差を比較することができ,さらに,クラスタ間の関係についての分析を行える.本稿では,予備実験として,任意の直交変換を加えたデータ群に対して,提案手法を適用し,事前に形状の基準を与えることなく,適切なクラスタが形成可能であることを示す.