抄録
土木技術者に対するアイデンティティの形成は極めて本質的な問題である。すでに形式的な教育システムは展開している。一方でアイデンティティ形成に関する技術的検討は十分であるとは言いがたい。こうした背景から、本研究では教育段階の土木技術者の心理状態を理解するため心理テストを導入する。特に比較的容易に実行可能な心理テストとして「樹木画テスト」を利用する。具体的には、「樹木画テスト」における投影された心理状態の判断プロセスを「知識ベース」として蓄積し、ファジィ推論を含む総合的な推論システムを構成する。これより、教育段階に対応した青年期の土木技術者の精神状態が統計的に整理される。またこの判断システムから、精神医学的な問題点を抽出することができる。最終的に現在の社会的問題として、アイデンティティの障害としての境界性人格障害との関連性を分析することにより、心理診断システムの「知識ベース」の高度化を試みる。