抄録
本研究では,冠動脈プラークの組織性状判別において,血管内超音波(Intravascular Ultrasound: IVUS)法より得られるradiofrequency(RF)信号の複雑さに着目した新奇手法を提案する.提案手法では,「組織から反射されるRF信号の複雑さが,組織の種類に応じて異なる」という仮定に基づいた特徴量の抽出を行う.RF信号の複雑さを特徴量として定量化するために,フラクタル解析の一種である相関積分法を用いる.相関積分法によって得られる相関指数を各プラーク組織の特徴量として,k近隣法によるプラークの組織性状判別を行う.
提案手法の有効性を検証するため,ウサギとヒトから取得したRF信号を用いて、冠動脈プラークの組織性状判別実験を行った.その結果,従来手法と比較して,提案手法は超音波の減衰や反射に左右されにくく,判別性能に優れていることが示された.