日本顎関節学会雑誌
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関節鏡視下手術所見と滑液中の酵素活性との関連についての検討
高塚 茂行吉田 完窪田 善之表 武典寺井 功一山田 宗宏中川 清昌山本 悦秀
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2009 年 21 巻 2 号 p. 143-149

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抄録

顎関節症患者の滑液には過剰なメカニカルストレスより発生した蛋白分解酵素が発現していることが知られており,顎関節における変形性関節症の程度を反映していると考えられる。そこで,関節鏡視下手術の適応となった27症例36関節の上関節腔より採取した滑液を生化学的に分析し,マトリックスメタロプロティナーゼ(MMP)とアグリカナーゼ(ADAMTS)の発現を調べ,MRIや関節鏡視で得られた所見との関連を評価した。術前MRIでは,18症例の下顎頭に著しい変形を認めた。関節鏡視では27症例全例に滑膜炎と線維性癒着を認め,このうち7症例に関節円板組織の穿孔を認めた。滑液の生化学的分析では,高頻度に潜在型のMMP-2(24/27),MMP-9(25/27)とADAMTS-4(26/27)の発現を認めた。この結果から,関節腔内における線維性癒着が強く,変形性顎関節症が進行した症例では高頻度にMMPやADAMTSなどの活性がみられ,組織破壊が進行していることが示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本顎関節学会
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