日本顎関節学会雑誌
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咀嚼筋痛障害への多面的多角的アプローチ
―食事指導の有用性と運動療法のこれから―
島田 明子
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2020 年 32 巻 3 号 p. 131-135

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抄録

顎関節症の診断は2014年にThe Diagnostic Criteria for Temporomandibular Disorders(DC/TMD)が国際的に標準化された診断基準として発表され,現在広く用いられている。2020年2月に日本顎関節学会よりDC/TMDに基づき日本の医療システムにより即した診断基準として顎関節症の診断基準(2019)と診断決定樹が発表され,咀嚼筋痛障害の診断はより明確になった。咀嚼筋痛の治療には,理学療法,薬物療法,そして,アプライアンス療法が基本治療とされている。しかしながら,それらの選択については統一の見解がなく,臨床においてシステマティックに治療オプションを決定するのは難しいのが現状である。本稿では咀嚼筋痛障害の治療について,その現状と運動療法の有用性について解説する。また,咀嚼筋痛障害患者において,生活習慣に関するリスクファクターとして食生活が咀嚼筋痛に与える影響について検証したRCTの結果を供覧する。

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© 2020 一般社団法人 日本顎関節学会
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