日本顎関節学会雑誌
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透析患者における顎関節の変化に関する臨床的検討;
顎関節関連症状のアンケート調査について
田中 彰又賀 泉
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1999 年 11 巻 2 号 p. 136-142

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抄録

長期血液透析症例による合併症の一つとして, 骨代謝異常が問題となっている。当科ではこれまでに, 画像診断上両側下顎頭に骨変形所見を伴い, 透析性骨症との関連が示唆された2症例を経験し報告した。そこで今回は, 透析患者における顎関節の異常に関する実態を把握することを目的にアンケート調査を施行し検討を行った。対象は新潟市信楽園病院において血液透析療法中の患者のうち, 書き取り方式によるアンケート調査に協力できた263例である。内訳は男性188例女性75例で, 年齢は23歳から86歳までの55.05±11.36 (平均±標準偏差) 歳, 透析年数は1年未満から30年で平均11.09±8.46年であった。顎関節部に何らかの異常 (開口障害, 顎関節部の疼痛, 咀嚼筋症状, 顎関節雑音, 咬合時の異常感・咬合変化) を自覚しているものは79例 (30.0%) で, 内訳は男性62例, 女性17例, 平均年齢は54.06±12.52歳, 透析年数は1年未満から29年で平均13.22±9.04年であった。

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© 一般社団法人日本顎関節学会
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