日本顎関節学会雑誌
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顎関節症の診断に対する歯科用小照野X線CT (Ortho-CT) の有用性について
第1報: 単純断層X線撮影との対比
本田 和也新井 嘉則上野 正博澤田 久仁彦橋本 光二篠田 宏司
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2000 年 12 巻 1 号 p. 57-61

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抄録
今回我々は, 顎関節症と診断された症例に対し, 当教室で開発した歯科用小照野X線CT (Ortho-CT) を使用した結果, 骨性変化の診断に有用であったので報告する。使用した装置は画像再構成領域を高さ3.0cm, 直径3.8cmの円柱の範囲に限定した小型のX線CTであり, センサーには4インチのImage intensifier (I. I.) が使用されている。画像再構成時間は約10分であり, Voxel sizeは1辺が0.136mmの正立方体で, 240×280×280 Voxelで構成されている。X線の照射範囲が狭いため, 患者被曝は従来のCT検査より大変低い。対象症例は顎関節症の疑いでOrtho-CTと単純断層X線撮影法による検査を施行した13例26関節で、矢状断のOrtho-CT像と矢状断の単純断層X線像の骨変化について検討した。下顎頭および下顎窩のいずれも、骨形態変化の観察はOrtho-CTのほうが, 単純断層X線よりすぐれていた。この結果から, 顎関節症の骨変化の診断にOrtho-CTは有用であった。
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© 一般社団法人日本顎関節学会
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