日本顎関節学会雑誌
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高度な骨性癒着をきたした顎関節強直症の1例
藤澤 健司飛梅 悟鎌田 伸之長山 勝山之内 浩司
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2002 年 14 巻 2 号 p. 222-226

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抄録

小下顎症を伴う高度な骨性癒着をきたした顎関節強直症の1例を報告する。
患者は43歳の男性で, 開口障害を主訴に来院した。幼少期の関節突起骨折が原因で長期間開口障害を認めていた。初診時の開口域は11mmで, 側貌にてオトガイの後退を認めた。X線検査の結果, 両側下顎頭の変形と左側顎関節の著明な骨性癒着がみられた。全身麻酔下に右側は下顎頭切除術, 左側は骨関節切除術を施行し, 左側には遊離皮膚弁を中間挿入物として使用した。さらに小下顎症の改善を目的にオトガイ形成術, 腸骨移植術を施行した。術後開口域は30mmに増加し, 顔貌も改善され患者は満足している。

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© 一般社団法人日本顎関節学会
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