1995 年 7 巻 2 号 p. 377-384
顎関節症患者のMDO方式による分類法を考案した。分類方法は以下のごとくである。
MDO方式
M分類: 筋, 筋膜症状
M0; 筋, 筋膜症状なし。M1; 筋, 筋膜症状あり。
D分類: 関節円板動態の異常
D1; 関節円板の動態異常なし。D1; 復位を伴う転位あり。D2; 復位を伴わない転位あり。 (注) 各種画像診断にて確認した場合には転位方向を付記する。 (ex. a; 前 (内) 方, p; 後方, s; sideway, など)
O分類: 変形性の骨変化 (単純X線検査)
O0; 変形性の骨変化なし。O1; 変形性の骨変化あり。
(例) 筋症状を伴ったクローズド・ロック症例で, 骨の変形は認めない症例→M1D2aO0
本文類法による臨床統計的観察, 機能障害度との関連を検討した結果, MDOの組み合わせで病態の特徴や, 機能障害度が異なることが示された。MDOすべての診断を表記して分類する本方式は各患者個々の病態を把握するに有用なだけではなく, 病態の重症度を推測するのに有用であると考えられた。