抄録
高齢者社会となったわが国では,シニアビジネスの市場規模が拡大しており,高齢者との効果的なコミュニケーションのために,高齢者に関するイメージを科学的に検証する必要がある.本研究では,大学生が抱く高齢者のイメージをシニアビジネスに適用するために,大学生を対象として高齢者との関わりや高齢者イメージを測定し,パーソナリティ特性および祖父母との関係が高齢者イメージに与える影響を分析した.その結果,「出世,名誉欲」の高齢者イメージが協調性と負の相関があり,祖父母との関係を肯定的に評価する参加者ほど高齢者の「共感関係性」が高いイメージをもつ傾向があった.また「共感関係性」イメージは,祖父母との関係評価の大半が高い群と低い群の間で差があり,「目標,達成」イメージは,時間的展望促進機能と世代継承性促進機能が高い群が高く評価した.以上より,介護支援サービスの広告など高齢者に関わるマーケティングメッセージは,祖父母との関係評価が高い層をターゲットとすることが有効で,祖父母の影響と家族との類似性を認める層で富裕層をターゲットにしたシニアビジネスが有効であることが確認された.