本稿は,筆者による約100時間の授業参観実践の経験から明らかとなった,言語授業参観のための授業参観の4観点を具体的に提示した。4観点には,(1)授業の計画された活動に注目する「計画的活動」,(2)授業の授業目標達成のための活動に注目する「目標達成」,(3)授業において偶発的に発生する出来事に注目する「偶発的活動」,(4)授業において安心できる人間関係や居心地の良いクラスを作ろうとする活動に注目する「ケア」,がある。本稿はこれら4観点を,筆者が実際に辿ったその大部分を偶発性に支配される実践のエピソードから記述し,さらに,理論的背景から説明した。本稿が示した4観点は言語授業参観において有効な観点であると期待される。