日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
総説
内視鏡治療における法的規範と医療評価
鈴木 荘太郎
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2009 年 51 巻 4 号 p. 1111-1120

詳細
抄録
医師は医学知識と技能を有効に発揮して診断および治療を的確に行う責務を担っており,日常診療において,医の倫理規程および関連法規が医師の行動規範である事を自覚して,診療に当たらなければならない.内視鏡治療は侵襲的な治療法であり,法的には一般診療より高度の注意義務が求められている.特にinformed consentは重要で根底には法的な説明義務があり,治療の適応,治療法の選択,治療効果,合併症などの具体的な説明が必須である.説明内容の不足に関しては法的責任が発生し,説明を行った内容であっても,合併症や事故が発生した場合には,医療水準に従った対処の有無が法的責任の判断基準となる.
わが国の医療評価は,先行する米国の手法に準じているが,現時点では医療のstructureやprocessの評価が中心であり,各専門領域において,EBM(evidence based medicine)に副った臨床評価指標(clinical indicator)による医療の本質的な評価が求められている.専門医療の質の向上ならびに医療評価として,的確な内視鏡検査および治療に対する評価指標の策定が必要である.従来の医療評価に関する研究は社会医学の領域で進められていたが,本質的な医療評価は各専門領域において研究開発するべきである.これには客観的な無作為抽出法(RCT:randomized controlled study)によって検討されることが望ましく,内視鏡治療のclinical indicatorの策定には,日本消化器内視鏡学会(JGES)が主導的な研究開発を実施することが最適と考えられる.
著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
次の記事
feedback
Top