食道・胃・十二指腸の同時性三重複癌の1例

抄録

食道癌，胃癌，十二指腸癌の同時性三重複癌1例を経験した．症例は73歳男性で，左主気管支に浸潤する高度進行食道癌と進行胃癌，進行十二指腸癌の同時性三重複癌と診断された．食道癌は切除不能と判断し，化学療法を行った．3コース後食道癌はPR，胃癌はCR，十二指腸癌はSDであった．その後食道縦隔瘻が発生したが，カバー付き金属ステントの留置を行い，化学療法終了後5カ月で原病死する直前までQOLは保たれた．