日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
手技の解説
Updated Sydney Systemにおける適切な生検法
中島 滋美高橋 恵子佐藤 仁山本 和雄井上 徹也奥村 嘉章吉田 章子林 裕司馬野 真次福田 方子藤山 佳秀
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2009 年 51 巻 7 号 p. 1588-1595

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抄録
Updated Sydney System(USS)の組織採取の仕方から結果の解釈まで,内視鏡医の立場で手技を解説した.内視鏡医は保険適用を守りながら必要に応じてUSS用の定点生検を追加し,背景胃粘膜のヘリコバクター・ピロリ感染診断と慢性胃炎の評価をする必要がある.生検部位は本来5箇所であるが,日本の諸事情を考慮し,体部と前庭部大彎から最低1個ずつ,さらに必要に応じ胃角または体下部小彎からの組織を追加するとよい.生検組織採取の際には胃粘膜深層まで組織が採取されるように心がけるべきであるが,出血などのリスクも考慮して鉗子を選択し,USSのための組織採取のメリットとデメリットをよく知った上で生検を行うべきである.内視鏡医はUSS診断を依頼する時に,その旨を病理検査技師に伝え,適切な標本を作製してもらう.また,正確な病理診断を下せるように,内視鏡医は生検採取部位を病理医に伝える必要がある.
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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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