土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
津波漂流物群の初期配置がそれらの流動挙動に及ぼす影響に関する実験的研究
富田 孝史田口 聖也中西 祥一千田 優水谷 法美
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_307-I_312

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抄録

 津波災害の際には,津波によって漂流した自動車,コンテナ等が道路や航路をふさぐことによって緊急物資輸送等を支障して救援・復旧・復興に悪影響を及ぼす.津波漂流物の流動挙動の推定技術の向上に資するため,本研究では,陸上に配置された直方体の漂流物模型を津波によって流動させる水理模型実験を実施し,漂流物の個数および初期角度が漂流物の流動に及ぼす影響を明らかにした.複数の漂流物模型が模型幅の等倍程度に近接する場合には相互干渉が発生し,模型単体とは異なる流動挙動を示した.また,遡上波の流れに対して斜めの模型には揚力の作用によって流れに直交する方向の運動成分が生じた.複数の模型の重心位置の移動には,模型の相互干渉の影響が生じ,流れに沿った模型の列数が多いほど移動距離が短くなった.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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