2010 年 52 巻 7 号 p. 1698-1705
症例は23歳の男性.脳腫瘍による意識障害が改善せず,当院にて呼吸管理と経鼻経管栄養,薬物治療を受けていた.経過中に発熱と嘔吐が出現し,血液検査で急性炎症所見を認めた.腹部造影CTでは胃壁全体の肥厚と門脈内ガスがみられた.緊急上部消化管内視鏡および超音波内視鏡検査の所見と併せ,急性胃蜂窩織炎と診断した.胃粘膜および胃液よりEnterobacter aerogenesとEnterococcus faecalisが検出された.抗生物質による保存的治療にて改善した.