日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
好酸球性食道炎の診断と治療
木下 芳一石原 俊治天野 祐二藤代 浩史
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2011 年 53 巻 1 号 p. 3-15

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抄録

好酸球性食道炎は食物や空気中の物質が抗原となってアレルギー反応が食道の粘膜上皮を中心におこり,食道上皮中に多数の好酸球の浸潤がみられる稀な疾患である.好酸球の上皮内浸潤を中心とした慢性炎症のため食道粘膜下層の浮腫や線維化がおこる.このため食道の運動に異常が生じ,嚥下障害や食べ物のつまりを主とする症状が出現し食道狭窄が生じることもある.内視鏡検査では食道粘膜の縦走溝,白斑,多発輪状狭窄がみられることもあるが,確定診断は食道粘膜の生検による上皮内好酸球の存在(15-30個/高倍率視野)をもっておこなう.治療には局所作用型のグルココルチコイドの食道粘膜への投与を第一選択とすることが多い.

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© 2011 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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