日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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53 巻, 1 号
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総説
  • 木下 芳一, 石原 俊治, 天野 祐二, 藤代 浩史
    2011 年 53 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/15
    ジャーナル フリー
    好酸球性食道炎は食物や空気中の物質が抗原となってアレルギー反応が食道の粘膜上皮を中心におこり,食道上皮中に多数の好酸球の浸潤がみられる稀な疾患である.好酸球の上皮内浸潤を中心とした慢性炎症のため食道粘膜下層の浮腫や線維化がおこる.このため食道の運動に異常が生じ,嚥下障害や食べ物のつまりを主とする症状が出現し食道狭窄が生じることもある.内視鏡検査では食道粘膜の縦走溝,白斑,多発輪状狭窄がみられることもあるが,確定診断は食道粘膜の生検による上皮内好酸球の存在(15-30個/高倍率視野)をもっておこなう.治療には局所作用型のグルココルチコイドの食道粘膜への投与を第一選択とすることが多い.
原著
  • 斧山 美恵子, 永田 信二, 津村 貴子, 鴫田 賢次郎, 中山 奈那, 本田 洋士, 桑原 健一, 木村 茂, 辻 恵二, 大越 裕章, ...
    2011 年 53 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/15
    ジャーナル フリー
    骨盤内の悪性腫瘍に対する放射線治療後に発症した出血性放射線性直腸炎のうち,保存的治療に抵抗性の症例に対するアルゴンプラズマ凝固療法の有効性が報告されている.そこで保存的治療に抵抗性であった出血性放射線性直腸炎24症例に対してアルゴンプラズマ凝固療法を施行した.24症例を千野らの分類に準じてType A,B,Cの3つに分類し,アルゴンプラズマ凝固療法の有用性について検討を行った.いずれの症例においても血便の量・回数の改善および内視鏡的に易出血性の毛細血管拡張病変の消失が得られ,偶発症もなく有効な治療法であると考えられた.
症例
新しい手技・処置具・機器
手技の解説
  • 北野 雅之, 工藤 正俊
    2011 年 53 巻 1 号 p. 76-86
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/15
    ジャーナル フリー
    低音圧にて二次性高調波信号を発生する第二世代超音波造影剤ソナゾイドの登場により,EUS領域においても血流評価による診断が可能となった.造影EUSはOLYMPUS-ALOKA社製スコープを使用し,ドプラのアーチファクトを少なくし実際の径に近い血管像を描出するeFLOWモード,造影剤からの信号を高感度に検出し実質染影が行える造影ハーモニックモード(E-PHDモード)を用いる.観察対象はできるだけ接近した状態となるようにスコープの位置を決定してから観察する.造影ハーモニックイメージングでは造影10-20秒後は病変内に流入する血管像が観察され,その後,実質の染影像が認められ,膵管,胆管,周辺組織との明瞭なコントラストが得られる.胆膵領域では,小病変の存在および鑑別診断に有用であり,特に腫瘍部と非腫瘍部の識別が容易となる.GISTでは,特徴的な腫瘍内血管像が観察される.また,リンパ節腫大の良悪性診断にも有用である.元来,高分解能であるEUSに微小循環動態像,実質染影像が観察可能となり,消化器領域の画像診断がさらに向上すると期待される.
  • 飯塚 敏郎, 菊池 大輔, 布袋屋 修, 山田 晃弘, 山下 聡, 藤本 愛, 中村 仁紀, 松井 啓, 黒木 優一郎, 三谷 年史, 貝瀬 ...
    2011 年 53 巻 1 号 p. 87-94
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/15
    ジャーナル フリー
    内視鏡的切除の適応となる十二指腸腫瘍が発見される頻度は低いが,実際に遭遇した場合,内視鏡的切除の適応かどうか,治療方法をどうすべきか,術後管理はなど定まったものがないのが現状である.本稿では,解剖学的に特殊性を有する十二指腸の内視鏡的切除について,治療対象とすべき病変,実際のEMRやESDのやり方,術後の偶発症に対する対応などについて述べる.
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