日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
フルチカゾン嚥下療法が有効であった狭窄を伴う好酸球性食道炎の1例
藤原 靖弘村木 基子木幡 幸恵杉森 聖司山上 博一谷川 徹也渡辺 憲治渡辺 俊雄富永 和作荒川 哲男
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2011 年 53 巻 11 号 p. 3523-3528

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抄録

症例は31歳,女性,6年前より嚥下困難・食物のつまり感を自覚し,他院で内視鏡など検査するも異常を指摘されなかった.症状が徐々に増悪するため紹介受診.上部消化管内視鏡検査では食道胃接合部に一致して著明な狭窄を認めたが,明らかな腫瘍や粘膜不整を認めず,超音波内視鏡では主に粘膜層の肥厚を認めた.食道生検にて食道粘膜内に著明な好酸球浸潤とmicroabscess形成を認め,好酸球性食道炎と診断した.フルチカゾン嚥下療法により症状および内視鏡像・組織学的改善を認めた.好酸球性食道炎は本邦では稀な疾患であるが,典型的な症状と特徴的な内視鏡像より食道生検を施行することが早期診断に重要である.

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© 2011 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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