日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
原著
胃褪色調陥凹性病変に対するNBI併用拡大観察所見の検討
野中 康一新井 晋伴 慎一永田 耕治庄野 孝落合 康利外川 修中尾 将光西村 誠石川 恵子佐々木 裕喜多 宏人
著者情報
キーワード: NBI, 胃腺腫, 分化型腺癌, Group III
ジャーナル フリー

2012 年 54 巻 1 号 p. 11-18

詳細
抄録

【目的】われわれが胃のIIa様病変の診断に有用であると報告しているNBI Type分類が,胃腺腫と分化型腺癌の鑑別が必要な褪色調陥凹性病変に対しても有用であるかを検討する.【方法】2008年11月からの16カ月間に,当科にて通常観察及びNBI併用拡大観察を施行した症例の中で,生検Group IIIの褪色調陥凹性病変9例を対象とした.われわれが提唱するType分類を試み,切除標本の病理結果と比較した.同時期に観察しえた隆起型褪色調病変(生検Group III)59例との比較も行った.【結果】切除標本の病理結果は9例すべて高分化型腺癌.NBI併用拡大観察所見はType I:0例,II:0例,III:2例,IIIs:3例,IV:4例.褪色調隆起性病変の中でも陥凹を有するIIa+IIcのような病変とはNBI所見等で類似点を認めた.【結論】当院提唱のNBI Type分類が褪色調陥凹性病変の良悪性鑑別にも有用である可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top