2012 年 54 巻 1 号 p. 3-10
バレット食道は胃食道逆流症の終末像の一つと考えられており,長期間経過すると腺癌発生のリスクが高まる.欧米ではバレット腺癌の増加が著しく,本邦でも報告例が増加している.近年,バレット食道の内視鏡診断において拡大観察や画像強調観察などが応用され,より精密な観察が可能となり,その臨床的有用性が多く報告されている.しかしながらバレット食道の定義が各国で異なるという問題点やスクリーニングの必要性,治療法の選択,サーベイランスの間隔など解決すべき問題が多い.