2012 年 54 巻 1 号 p. 50-56
症例は69歳,女性.胃全摘後巨赤芽球性貧血で通院中に総胆管結石を指摘され入院となった.Roux-en-Y法(R-Y法)再建のため有効長200cmのダブルバルーン内視鏡(DBE)にてERCPを行った.乳頭到達は可能であったが,腸管の短縮が困難で汎用スコープへの入れ替えが困難であったため,DBE単独でのERCPを試みた.胆管挿管に難渋したが,カニューレとして先端加工した6Frテーパードカテーテルで挿管し,総胆管内の最大8mm径3個の結石を除去し得た.有効長200cmのDBE単独で経乳頭的に結石除去し得たR-Y法後総胆管結石の1例を経験したので報告する.