抄録
症例は84歳男性.S状結腸癌による腸閉塞に対して,人工肛門造設術を施行した.その後二期的に高位前方切除術を施行したが人工肛門は閉鎖しなかった.術後9カ月に人工肛門閉鎖を検討した際に吻合部の完全閉塞を認め,内視鏡的切開・拡張術を施行した.合併症として腸管穿孔が危惧されたが,治療時に十二指腸ゾンデを使用し,閉塞部の口側腸管を描出することで口側と肛門側腸管の直線化が得られた.フレックスナイフにて閉塞部を切開し,その後に内視鏡的バルーン拡張術を行った.良好な開存が得られたため人工肛門閉鎖術を行い,術後の排便は良好であった.大腸術後吻合部完全閉塞に対して内視鏡的切開・拡張術を安全に行えた症例を報告した.